オキニ報告

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作られた需要に踊らされているのか?

DSC-RX100M3からRX100M4へ買い換えるか,これまで検討してきたが,ふと冷静になると,自分が「写真を撮ること」から「カメラを買うこと」に意識が移っていたことに気づいた.

言うまでもなく,自分が満足する映像を繰り返しみることが目的で,写真や動画はそれを実現する一つの方法であって,カメラはそのための道具に過ぎない.

そんなことを考えていたら,昔,電通の人が言っていたを思い出した.

「需要は作るんですよ.僕たちは需要を作るのが仕事なんです.」

当時は,ご大層な発言をする奴だなと思っていたが,確かに,今回の私は「需要」に踊らされていたように思う.

「需要」について調べてみる

需要というやつはいったい何なんだろうか?我々を幸せにしてくれるのか,それとも,単なる不幸の種なのだろうか?

Wikipediaで調べてみると,以下のように記載されているが,もう少し深く掘ってみたい.

需要(じゅよう)とは、財に対する購買力の裏づけのある欲望。

というわけで,Google Booksで調べてみた.需要についてはマーケティング関連本に記載が多く,いずれもコトラーの本から以下の文を引用していた.

A human need is a state of felt deprivation of some basic satisfaction.

Wants are desires for specific satisfiers of these deeper neeeds.

Demands are wants for specific products that are backed up by an ability and willingness to pay for them-purchasing power.

ざっくり要約する.*1

  • 需要,すなわちdemandの源としてwantがあり,wantの源にはneedがある.

  • needは,食物や空気や水といった生きるうえで欠かせない物へ対する欲求であり,社会やマーケッターに作ることができないもの.

  • wantは,特定の物に対する欲求.例えば,needが食物なら,wantは中華料理や和食等.

  • demandは,お金を払っても欲しいと思えるほどの,特定の物に対する欲求.

  • 広告やマーケティングの目的は,選択肢を示すことで消費者のwantを作り,それらをdemandに転化させること.*2

【Philip Kotler】
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【その業界におけるバイブル】

Marketing Management (15th Edition)

Marketing Management (15th Edition)

作られた需要,自分のケース

今回の自分の例を振り返ると,「満足する映像を繰り返し見たい」のは「need」であり,DSC-RX100M4に付加された新機能によって「新機能に対するwant」が作り上げられたといえる.

【欲求の構造を図解してみた】
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まとめ

現在,「RX100M4を買って新機能を使いたい!」という「demand」と,「RX100M3で満足しているだろう」という「理性」の板ばさみになっていることがよく分かった.

しばらくは,この需要が本物かを見極めるため,板ばさみ状態を楽しんでいこうと思う.

しかし,実はこれも,「我慢したい」という欲求に従っているだけなのかも…

*1:

Principles of Marketing

Principles of Marketing

この本も参考にした

*2:つまり,いかに消費させるかということ.